古典文学大系

昨日の続き。
岩波書店古典大系だが、古書の世界ではどうか。
なんと言っても、旧大系が1000万部、新大系が250万部。これだけ新刊として出ているのだから、当然非常によく目にする本である。
旧大系揃いの販売価格は3−5万ほどだろうか。(以前は10万円の時代もあった。)ということは市場では1−2万である。この市場価格で一体お客さんにいくら払えるのか。100冊からの本が書棚にビシっと入っていても、たった数千円ということだ。お客さんの中には納得できない人や怒る人もいるかもしれない。当店でも買い取りに行った先で、厳しい現状を説明する時がある。もし車か何かで行ったにせよ、お客さんが宅配便で送るせよ、手間や送料の方が高いのではと思う。正直、旧大系だけの仕入れだったら断るかもしれない。
バラの場合もひどい。少し前まで500−1000円くらいだったのが、今や100−300円の世界だ。
新大系はまだそれでも、揃いでは20数万円というところか。それでも定価は40万以上するから半額に近い。
バラも以前は1000−2000円くらいはしていたが、最近は500−1000円である。
新旧どちらも売れ筋があって、中世のところや日本史が絡むようなところはまだ少しいい。ダメなのは近世だ。新大系はその特色として近世を増やしたと昨日書いたが、そこが完全に裏目でまったく動かない。多分始めの頃の配本で部数も多いのだろう。入荷する機会の多さに反比例してこれが売れない。