新大系

昨日の朝日新聞・文化欄に岩波書店の「新日本古典文学大系」(通称:新大系)が完結した記事があった。
全100巻+別巻5。第1回配本から17年かかったという。最後の数年は年に1・2冊の刊行で、かなりもたついた感がある。
ともあれ、どうにか終わったということで、岩波書店も内容見本を改めて出したり、サイトや紙面に広告を出してPRに努めている。
大系シリーズは岩波書店の顔の1つと言っていいだろう。
記事では、前の「日本古典文学大系」(通称:旧大系)との比較や、この17年の時代の変化に触れている。
旧大系は昭和32年より10年かけて、全100巻+別巻2で刊行された。総発行部数が1000万部というからすごい。
その完結から20年後。古典研究の深まりを反映させようと始まったのが「新大系」。近世文学を増やすなど構成に変化も持たせたなど。
記事の最後に、「新旧で最も大きく違うのは、出版を下支えする社会の教養観とでもいうべきかもしれない」とある。
つまり、古典文学が読まれなくなり、大学からも「国文科」が次々消えていく現状だ。
新大系の総発行部数は250万部。これもかなりすごい数字だが、旧大系の4分の1だ。