学術書=限定本

数ヶ月に一度見るサイトに岩田書院さんのサイトhttp://www.iwata-shoin.co.jp/がある。
この中の「新刊ニュースの裏だより」が目当てだ。
(この「裏だより」がまとまって『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏』として無明舎から刊行された)
学術書、専門書を発行する版元の悲哀(!)が書かれている。
数字も割と出しておられて、悲哀がよりリアルに感じる。
例えば、ある本を400刷って在庫が250。公共機関(大学、図書館)の注文が半数以上とすると、個人購入は100以下という現実・・。
当店も岩田書院さんとジャンルこそ違うが人文系の学術書を取り扱っており、まったくヒトゴトではない。
数年前まで500部が普通であったように思うが、最近では300−400部が平均のようだ。
いわゆる「限定本」というジャンルが古書にはあって、これは文芸書や趣味的なものを装幀や紙を凝って小部数造り、ある一定層=愛書家に向け販売するというものだが、学術書もいつの頃からか、勝手に「限定本」になってしまっていたのだ。いやはや。